2013年5月30日 (木)

5/30  十数年来

新しい街で困る物の一つに、「美容院」という項目がある。

特に選ばれた容姿を持つ人以外はどこで切っても大差なんて無いんだろうけど、あのお洒落な外観はどこか気後れし、また、そんなのが何店も並んでいるのだ。ファッション系全般にコンプレックスを抱く僕としては毎度の事ながら気が重い。

しかしどうして美容院ってのはどこも固まって営業してるのだろう?前の場所も凄かったけど、今僕の住む町も三つ四つの美容院が一本の通りで鎬を削っている。赤線ってわけじゃあないんだろうけど、認可が下りやすい場所とやらでもあるのだろうか?

 (はい、ここは店員がシャレオツすぎるから駄目!)
 (はい、ここは外観がシャレオツすぎるから無理!)
 (はい、ここは店名が・・・)

そんなわけで、切ろうと思ってから何日かその通りを散歩がてら、各店の様子を見て歩くのだが消去法で残った一店舗、どこかほのぼのとしたアットホームなお店に入ってみる事に決めた。

 「いらっしゃいませ。うち、床屋ですけどよろしいですか」
 「・・・え?・・・あ、・・・・はい」

店主の第一声。我ながらいい叩きっぷりである、石橋の。倒置法。

 (今さら嫌ですとも言えないし・・・)

そもそも床屋だから嫌ってわけでもないんだよな。ただ、店主の質問が全てを物語っているように、床屋と聞いて引き返す人もいるのではなかろうか。事実僕も一瞬「うっ」となったが、冷静に考えてみると何に「うっ」となったんだろう?

 (床屋と美容院の違いって何だっけ?)

確か顔剃りをやるかやらないかだったような曖昧な記憶があるが、だからと言ってそれで髪を切る技術に不安があるわけでもない。ただ、何となくイメージとして美容院の方が若者向けの流行に敏感というか、外観を大切にしている節があるように思え、逆に床屋は基礎工事に命を賭けているような印象がある。

パーマの美容院。
角刈りの床屋。

こんな感じか?あくまで僕の主観だけれど。

 (しかしまあ・・・)

兎にも角にも僕は流行とは無関係な男。ボサボサの髪を適当にやってくれればいいっすよ、というスタンスなのでどこで切っても変わりはなかろう。というか、そんな野郎が格好つけて少々割高な美容院に行く方がどうかしているのかもしれない。

よし、中学生以来の床屋、行ってみようじゃないか!

 「それでは、初めにこちらの記入をお願いしますね」

まずは名前と住所、電話番号に来店動機、趣味、職業と根掘り葉掘りご新規カードに書かされる。これを見てカット中の会話の参考にするんだろうなーと思ったら、なんて事無い、カット中は全くの無言であった。あの趣味の欄に一体何の意味があったんだろう?登山と書いたのがいけなかったのか??

 「バッサリいった方がいいと思うんですけど、どうですか?」
 「そうですかね?」
 「ええ、でもうみさんがどうしてもって言うなら残しますが・・・」
 「(´・ω・`)切ってください」

時折入る会話はこういったものばかりで、と、ここらで入った瞬間から感じた違和感の正体が判明する。「うっ」の正体だ。

 「セットはですね・・・」
 「ええ、でも僕セットしませんし」
 「やった方がいいですよ」
 「面倒くさいんすよ・・」
 「いや、でも・・・」

例えば髪の毛のセットの話。僕はここ十年ぐらい、ワックスもスプレーも触ったことがないのだけれど、今日は根負けしてセットされた。案外印象が変わる物だと発見もあったのだけれど、それを伝えるとセット講座が始まり、さらにはハードスプレーまで購入する事になってしまった。(無論、最後は僕の意思だが)

ついでに、眉毛も何とかしましょうと言われ、曖昧に返事をして気付いたら半分ぐらいになっていた。びっくりした。ヤンキーかと思った。でも今までが伸びすぎだったんですよ、これでスッキリしましたね!と、言って満足気な店主。僕がNOと言っても剃ったんじゃないかと、そんな気がしてならない。

 (いい人なんだろうけどなぁ~) 

たまに、超健康志向で無農薬野菜なんかを売りにした飲食店に入った時のようなあの雰囲気。脱サラをした夫婦がやってるような、いかにもなヒッピースタイルの店主が鎮座しているような、あの独特の空気。

親切の押し売りというか、それとも無知への蔑みなのか。「こうした方がいいですよ」じゃなく、「どうしてこんな事もわからないのあなた」と言った上から目線。

一言で言うならば俺の店。俺の城。

僕の感じた感覚はソレなんだと思う。圧倒的アウェー感。これ、受け入れられる人は常連になるが、駄目な人は全く駄目だと思う。

僕は基本的にこういうのは苦手なんだけれど、なぜかこの日は違った。

 「ほら、見てください。泡、茶色いでしょ?これ、全部産毛ですよ」
 「はぁ…すいません」

こんな具合に一々動作をストップさせて説明してくるのだけれど、なんかコンプレックスがそうさせるのか素直に聞ける。いつもならうるせー死ねって思うんだけどなぁ。

十数年ぶりの顔剃りの気持ち良さに負けたよ。床屋、いいジャン!

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2013年3月14日 (木)

3/14  試金液

 「自分乳液をね、買ったんよ。」

元ラグビー部、プロレスラーのようなガタイをした強面チーフがはにかみながら僕に言う。

 「にゅうえき??」

さて、僕はといえば何を言ってるのかわからなかった。乳液というものに対する認識もそうだし、見せられた小さな容器…この人にそれが必要なのかという疑問もそうだ。乳液って確か、女性が風呂上りとかに塗るものじゃなかったっけ?

 「え?何に使うんスか、そんなもの…」
 「何って…」
 「おい、うみ。肌荒れ対策以外に何があんだよw」

っていうか、え?傍にいた店長が話に加わっちゃってるけど、なるほどこのシャレオツ店長なら乳液など肌のケアをしていても不思議じゃない…が、そもそも男性で乳液をつける文化って普通なのだろうか??まるでこちらがおかしいかのような空気になってるけれど、生まれてこの方そんなものをつける習慣のない僕は多いに困惑した。

同時に思い出す。そういえば、乳液と同じカテゴリーで見ていいものかどうかはわからないが昔、あれは中学生の時分か… 実家の洗面台に突如出現した次男の「化粧水」なるものを見て僕と三男坊は陰で冷やかしていたっけ。なんだアイツ、女ちゃんかよ、と。アイツもおしゃれに気を使う歳頃なんだな、と。

待て。言われてみれば当時も周りで化粧水をペチペチやってる奴は結構いたかもしれん。体育の後など、そんな場面が画として残っている。高校生になればそれは尚更だった気がする。

しかし自分は頑なに…ってほど信念を持って避けてたわけではないが、どこか縁の無いものとして視界にすら入れてこなかった。そして今も…

 「おいデブ、おまえ乳液って使ってんのか?」
 「何が言いたい」
 「化粧水は?」
 「だから、何が言いたい?」

魚君に恐る恐る尋ねてみると、彼もその手のものは使った事が無いらしい。答えを聞いてやっぱりなと思った。

どうもこれは「美」に対する意識と言ったら大仰しいけど、「お洒落」に対する意識の差の結果のような気がする。

同時に思う事が一つ。店長も次男坊も思い出の中のアイツだって、考えてみれば僕の乳液に対する印象はいつも「イケメン」に限られる。僕も魚君も三男坊も…残念ながらそっちじゃない。だからこそ僕は魚君の答えに納得したし、予想もしてた。

冒頭で僕がチーフに感じた違和感の正体もそこかもしれない。だとしたら何て罪深い代物だろう、乳液… 果たして僕らが使うようになる日は来るのだろうか。

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2012年10月 7日 (日)

10/7  第二次炭水化物戦争

チャーハンにラーメン、もちに天ぷらに超熟と。思えば僕はなんて恐ろしい食品達ばかりを好んで食べ続けてきたものか…

 (おっ!いいねいいね)

第二次炭水化物ダイエットの時間がやって参りました。九月中旬からまた本格的に始めたのですが、先日体重計に乗ってニンマリ。一度、夏にやり始めた時はそもそもの炭水化物ダイエットに対する認識を誤っていたようで、僕は単に主食(白米・パン・麺類)を取らなければいいと思っていたのだがそうではなかった。主食を取らないのはあくまでも手段であって、目的ではないらしい。「血糖値」、これこそがキーワードであった…

 (主食以外にも避けるべき食べ物がこんなに多かったとは…)

食品を食べた際に上がる血糖値の量、これを抑える事こそが炭水化物ダイエットの本来の趣旨らしい。理屈としては、血糖値が上昇するとすい臓でインスリンというホルモンが分泌されるそうなのだが、このインスリンは血糖を体脂肪として蓄積することによって血糖値を下げるため、インスリンが多く分泌されることはそれだけ体脂肪を蓄積する原因となるわけで…と、それを抑えるがための炭水化物減少運動。

つまるところ、炭水化物ダイエットとはインスリンをいかに余分に出さないかに重点を置いたものともいえる訳で…

インスリンと言えば、糖尿病の家系である我が家としては馴染みの深い言葉である。伯父が長きに渡って苦しんだ経緯を見てきた身として、ここは敏感にならなければいけない局面であろう。糖尿病とはインスリンの分泌量がコントロールできなくなった、または十分に作用しなくなった状態を指すものである。

そう思えばこそ、インスリンと密接な関係のあるこの炭水化物ダイエットとは、僕にとって渡りに船のような食事制限でもあるのだ。いずれ意識せねばならない事である、今のうちから自主的にやった方が発見も多かろう…

大雑把な説明になりましたが、今度こそ同じ轍は踏まぬぞとの気概を持って第二次炭水化物ダイエット、スタート!

 『65.0kg!』

うむ。再び炭水化物ダイエットを始めてもうすぐ一ヶ月。前回計ったときから-3kg。体脂肪率こそ測っていないものの、心なしかお腹は凹んで来た気がします。

最近の食事は主に湯豆腐と味噌田楽、野菜炒めにそれからお刺身に魚、肉を焼いたもの…と、ほぼこのローテーション。

また、集中力がなくなるためこれまで麻雀中は糖分補給の意味合いでチョコレートを食べてましたが、どうもチョコレートも炭水化物ダイエット的にはあまりよくないらしい。しかし、長年の習慣かチョコを食べないとどうしても頭が働かない「気」になって、どうしたものかと悩んでいたのですが、それならいっそ直接集中力の元であるブドウ糖を取ってみるかと、市販されてる固形のブドウ糖にも手を出しました。血糖値の観点から見ればよくないのですが、チョコよりは成分的にマシだろうと、個人的には妥協点を見つけたつもりになっていたのですが・・・

 Images

…しかし、調べていくとこのブドウ糖という「お菓子」、こいつもなかなか曲者のようで・・・。なんせ血糖値を上げる炭水化物、なぜそれを取ってはいけないかとその根底を辿れば行き着くのが「ブドウ糖」なわけで。炭水化物とは本来ブドウ糖を採るために食べる代物と言っても過言ではないぐらい。それを直接、わかった気になってポリポリ、時に飲みものに溶かして採り続ける行為、これは言うなればマラソンの最中にケーキを食べてるようなもの… タバコが体によくないからと、暴飲暴食で気を紛らわせるようなもので…

 (これぞ本末転倒!!)

またしても』間違いだらけの炭水化物ダイエットを行っていたという事が薄々わかってきました。食事制限はいいにしても、本当の意味ではチョコもブドウ糖も極力やめなければいけないようです。チョコは正直キツイなぁ~。

それに、まだこの食生活に慣れきっていないせいか、はたまた何かがおかしいのか、常時気怠さを感じたり口内炎が出来たりと問題点は様々!

 (…なんか根本的に間違ってんのかなぁ?)

書いてる内にやってる本人でさえもよくわからなくなってきました/( ^o^ )\痩せたのももしかしたら単なる栄養不足なのかもしれません。健康のために倒れるって、笑い話にもならないぜ…

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2010年7月23日 (金)

7/23  正直イケると思ってた

炭水化物ダイエットなるものを始めてみた。いや、皆さんのご想像通り僕は結構スラっとしているのだけれど、ここのところ隣でトランクス一丁で寝ている魚君のギャランドゥを見ているうちに危機感のようなものを感じ予防の意味で始めた次第だ。それにいつまでも現役時代の体じゃないし、健康のためのダイエットも悪くないかなって。

 「炭水化物食べなければいいんですよね?パン・麺・ご飯」
 「そうだね。主食を採らないって考え方でいいんじゃない?」

少し前に雀荘の先輩がこの炭水化物ダイエットなるものをやっておりまして、二ヶ月程その経過を見ていた僕は効果の程を知っている。仕事上がりに30%ぐらいの確率でロイヤルホストで200gのステーキを食べていようが、真夜中にKFCのフライドチキンをバリバリ喰おうが不思議なくらい痩せていった先輩。もともと太ってる人じゃなかったというのもあるけれど、それならば僕と条件は同じだから何の疑いもなくこの方法を信じられるってものさ。

 (おっ!刺身が半額っ半額っと♪)

そしてこの炭水化物ダイエット最大の魅力、それは閉店間際のスーパーと非常に相性がいいという点。半額以下になったお惣菜を買い込めばそれだけでいつのまにかダイエットと節約が両立できる。素晴らしいじゃないか、炭水化物ダイエット。

 (しかし、味の濃いものばっか食べてると何と言うか…)

今までお米で受け止めていた塩分。僕は濃い味が好きだ。もっと細かく言うと醤油が大好きだ!刺身が好きなのも餃子が好きなのも、それも全て醤油をつけて食べられるからに他ならない。かと言って同じ調味料仲間でもソースはトマトを使っているから食べれない。だからより気持ちが醤油に傾く。いや、醤油しか頼れるモノがいないのだ。生粋の醤油党。

と、少し話が逸れたが塩分。今までお米を進ませるための潤滑油だったこの塩分が今正に僕の首を絞めている。受け皿を失った塩分の激しい自己主張に僕の体が悲鳴を上げ始めたのだ。

 (何か、何か気を紛らわせるものは…)

味の濃いものを食べなければいいじゃんと思った方は甘い。スーパーの惣菜は総じて濃い味であるものだ。じゃあ惣菜買うの辞めれば?おいおい馬鹿言うなよ、半額になってんだったら買わなきゃ損じゃねえか。第一味の濃い料理が好きなんだから自分で料理したってどうしても味は濃くなる。問題はソコじゃねえんだ。

 (そう、ご飯に代わる何かを見つけなきゃ問題は解決しない><)

何か…何か…。

 (・・・・・・!!)

こうして試行錯誤の末僕が辿り着いた先はビールだった。

Kinkin

 (キンキンに冷えてやがるっ!!)

今まで一人じゃ滅多に飲まなかったビール。考えてみればこれほど濃い味料理に合うものもないわけで。喉の乾きも潤せるし一石二鳥じゃないか。常に居酒屋気分。それでいてダイエット……になるんだろうか?でも炭水化物は採ってないわけだしねぇ。グビグビグビ…

 「うみ最近太ったね」
 「個人差あるんですかねぇ、炭水化物ダイエット(´・ω・`)」

僕が過ちに気付くのはもう少し先の話。

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