2015年12月 6日 (日)

12/6  死を糧と…呼びたくはない。

うちのハム太郎がお亡くなりになられた。

飼い始めてからまだ一年半なので、平均三年生きると言われているキンクマハムスターの寿命からしたら相当早い。人間にして40半ばで逝去した感じだろうか。

死因はよくわかっていない。

突然娘がハムちゃんが死んじゃったと泣き出し、気付いたら冷たくなっていて…その時見たら給水ボトルが空だったので最後に水入れたのはいつ?と聞いたらわかんない…と。

ここ数日、娘が異様にネットに夢中になってて世話をしていなかったそうだ。笑えない結果だけど現実はいつもこんなもの。餌に関してはハムの習性として巣に溜め込んでいたはずなので、餓死は無さそうだが水は無くなったら補給できない。やはり一番考えられるのは脱水症状か?

そうじゃなくてもハムの突然死は珍しくもないそうだ。心不全や貯蔵していた餌が腐っていてそれを食べてしまった等、枚挙に暇がない。下手をすると相当早いが寿命だった可能性すらあるそうだ。最近、異常に動きが活発になってて深夜音が五月蝿いぐらいだった。特に以前書いた、脱走用の穴を埋めてからというもの…死に物狂いになってさらに穴を掘ろうとしていた節すらある。

思えばあれは何かのサインだったのかもしれない。或いは生きる希望を失った…というのは、世話を忘れていた自分たちのせめてもの希望的観測に過ぎない。

死因がなんであれ世話を忘れていたのは事実なのだ。それが死因じゃないにしても、とてもじゃないけど動物を飼う資格の無い責任感の無さを恥じるべきである。

ハムの世話は基本的に娘に任せているとは言え、僕ら夫婦もちょくちょく様子は見ていた。しかしここ数日なぜか二人ともハムの事をすっかり気にしてなくて、だから娘だけの所為とは言い切れない。

結局誰も気付けなかった以上…言い訳は出来ない。

ハムを飼う事になったとき、僕は動物を飼う事に対する嫌悪感を書いた事がある。決して動物が嫌いなわけではなく、何様のつもりで飼うなどと言っていいのだと…いつもの面倒くさい思考から。

その際に情操教育としての飼育、という項目にも触れている。ペットの死から学ぶ事がある、という思想だって飼育には含まれている、と。

しかしこうしてハムが逝った今、とてもそのような軽はずみな事は口にはできなかった。

 「ハムの死を無駄にするなよ、反省しろよ」

僕らの不注意が招いた結果に、とてもじゃないけどこんな事が言えるわけがない。

せめてもの救いは娘がわんわん泣いて、罪の意識を持ってくれた事だろうか。悲しいと感じてくれた事だろうか。しかしこれみよがしに、これを情操教育と言うのなら…やはり僕は生涯ペットを飼う事に対して肯定的にはなれそうもないな。

ただただ、申し訳ない。徒歩5分の嫁の会社の事務所の庭に土葬をした。たまにそこへ行って今日と言う日の気持ちを忘れないようにしたいと思う反面、それすら死を利用しているようで嫌悪感を覚えてしまう自分がいる。

次は猫を飼いたいなどとほざく娘に対しさすがに怒ってみたものの、ここで叱り諭してやる事こそがハムのためになるのだろうか。

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2015年10月24日 (土)

10/24  小脱走

映画「大脱走」という名作をご存知だろうか?

第二次世界大戦中、敵国に囚われた捕虜達が収容所から脱走する様子を描いた作品なのだが、その際に用いられた策が「地下トンネル掘り」。近年メキシコで麻薬王チャポと呼ばれる人物が同様の手口で脱走しているが、トンネル掘りでの脱走というのは「脱走」というカテゴリーの中では比較的ポピュラーなものなのだろうか?

なあ、おい…ハム公。

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夜中にガリガリ鳴ってると妻や娘から通報を受け… 現場に到着してびつくり。

このケージは元々給水機やその他追加設備のため微妙に小さな穴が開けられており、そこを塞いでおかないと後々食い破られる事があるみたいと弟から聞いてはいたものの… (娘が塞いでおいた自作のストッパーを外していたらしい)

どうやら被害はそれだけに留まらず('A`)

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 (すげえなこいつw)

逃げられた看守たちもこんな心境だったのだろうか。「まさか」、この三文字に尽きる。今回は未遂で終わったものの、このまま放っておいたら隣の部屋まで食い破ったりしたんだろうか?

ハムスターを舐めていたと認めざるを得ない。穴を塞いで念のためこれまでと内装を真逆の配置にしてみると、驚いた事にハムは先ほどまで穴があった位置へ立ち寄り不思議そうに辺りを見回していた。

得も言われぬ、罪悪感。

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2015年5月28日 (木)

5/28  守山みるくに教わるペットとの距離感

最近うちのハムが下痢気味で、そういう事はこれまで何度かあったけど今回のは些か長い。なんだかんだでうちに来てもうすぐ一年、キンクマハムスターの寿命は三年ほどらしいので今は人間換算で言えば30代半ばといったところだろう。老いてはいないが、決して若くもない。

 (わかるよハム…、急に体の衰えを感じるんだよな)

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冗談はさておき、体重を計ってみると二月前に比べ20gも減っていると言うではないか!たかが20gと侮るなかれ、119gが99gになったのだから割合で言うと相当な憔悴っぷりだ。

 「ね!ハナちゃん死んじゃうよ。病院行こうよ(´;ω;`)」
 「…さすがにこれはなぁ」

基本的にどのサイトを見ても、ハムスターは自然治癒力が高いので下手に手を出さずしばらく様子を見ましょうと書かれているのだが、さすがに今までとは勝手も違うようだし娘たっての希望という事でいよいよ動物病院なるものに行ってみることにする。なんか高そうなイメージがあって二の足踏んでいたんだけど、背に腹は変えられまい。

 (ふーん、町の診療所って感じだな)

適当に評判を調べてやってきたは近所の動物病院。

受付をすませ順番待ちをしつつ周囲を覗っていると、犬を抱えたおばちゃんが息を切らせて玄関の戸を開け放った。人々の視線を一身に集めたのを知ったのか、すこし間を置き…気持ち悲壮感を籠めた様子でこう言う。

 「守山… 守山みるくです!!」 

 (!!??)

なんだこのおばちゃんと思ったのも束の間、すぐにそれは犬の名前と思い至る。さすがにおばちゃんの名にしては40年早いだろう。そして看護婦(?)さんの対応を見るに、予め電話で来院を伝えていたのだろう。急ぎの様子を見ると緊急を要するのかもしれない。

程なくおばちゃんとその犬は奥の部屋へと入っていったが、僕はそれを見送りながら先ほどのシーンを振り返っていた。

 (みるく・・・守山、みるくか) *仮名です

あのおばちゃん、普通に犬を苗字付けで呼んでいた。単に記号として区別するための院内での慣習なのかもしれないけれど、それにしては臆することなく堂々としていたように感じた。

よく動物は家族の一員だって言う人の話は聞くし、実際長く動物を飼っている人たちにとってこれは当たり前の文化だったりするのかもしれない…そう思わせるほど、堂々と。

 「うちも○○(僕の苗字)ハナ(ハムの名前)って事かね?」
 「えー、その苗字ダサいから嫌だなぁ」
 「(´;ω;`)」

結局、うちのハムは特に大した事はなかったらしく、胃腸薬のような飲み薬を貰っただけで診察は終わったが、やはり先生がハムを呼ぶ際に「○○ハナさん~どうぞ!」と言っていた。

ペットに苗字。

慣れれば当たり前のような気もしてくるが、しかしこれまで考えた事もなかったな。

 (そっか。家族なんだな、こいつも…)

その家族も、一週間ほど薬を飲ませたら下痢も止まり元気になったようで一安心。

それから…少し気にしていたお値段だけど、初診はともかく経過を見せに来いという二度目の検診で、聴診器をおなかに当てて3分で診察は終わり1800円と言われたのはさすがにどうかと思ってしまった。

金額云々というより、あれで金取んのかよ…って。

でも冷静に考えると健康保険が無い全額負担だからこんなもんなのか?アメリカで盲腸になったら200万だもんな…いや、それにしても…

 (聴診器当てただけでこれじゃあ、手術なんて事になったらどうなっちまうんだ…)

行ってみて、払拭されるどころかますます強まった動物病院への畏怖の念。家族の健康を守って貰っているのにこう思ってしまうのは不謹慎なのだろうか…

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2014年7月 1日 (火)

7/1  穴があったら入ってほしい

うちでは現在ハムスターを飼っているのだけれど、僕は正直なところペットを飼うという事に肯定的ではない。

例えばそれが狩猟用の犬だったり盲導犬だったりと、『人が生きて行く上で必要なパートナー』として対等の付き合いをするためならば何も言わないが、愛玩動物などというただただ飼い主の満足のためだけに生き物を飼うなど一体何様のつもりだといういつもの面倒くさい思想からそう思うのだ。

そもそも「愛玩動物」などという呼び方からして許せないが、そういう言葉の響きを快く思わない人が存外多かったらしく、一昔前から「伴侶動物」という言葉も使われているらしい。

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しかしイザ使われてみても言葉を変えただけじゃねーか!!1!と思ったわけで、やっぱり僕は生き物を飼うという事に対し根本からしていい気はしないようだ。

よくペットを飼う事に対し「子供の情操教育になる」と言う人がいるが、それこそ正しく何様のつもりだという気持ちでいっぱいである。死を教えてくれる、いのちを愛でるなど、どれだけ上から目線なのだ。そこにどれだけ愛があろうが無かろうが、人間様の一方的な解釈にすぎないだろうぜ。

 (・・・と、思うのだけどね(´・ω・`))

小さい頃から籠の中で窮屈そうにしている動物達を見ると悲しくなって仕方が無い。せめて飼うなら広大な庭で思う存分…などと思ってしまうわけで。だから僕自身昆虫から魚まで、生き物を飼った事は一度も無いが、しかし現実に動物に心を救われている人もいるわけでそういう精神的支えのような部分は否定できない。だからこれはあくまでも僕の思想であって、他人に一切強要はしないが…

 (さて、)

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現実に今うちにはハムスターがいる。矛盾しているようだがハムスターがいる。嫁と娘の間に同居する前からの約束があったそうなので、僕の偏った思想を押し付けるわけにもいかず約束を守るという事も大切なので飼う事にしたが… 

しかしまあ、それならそれでうちに来た以上は最大限責任持って面倒見ようと、僕は最近ハムスターの事ばかり考えている。仕事?んなもんどうでもいい!

 (ふむ・・・ハムは本来地下に巣を作るのか)

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というわけで、巣箱を作ってみた。

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市販の地下型巣箱というものがあるようだが、今のケージ(飼育小屋)だと使えない形状なので自作。一旦二階に上がってから穴を掘るというスタイルにせざるを得なかったがこれはハム的にはどうなんだろうか?一方的な愛の押し付けとは正しくこの事だろうよ('A`)

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んで、ハムは「自ら掘った穴だからこそ安心して巣穴として認める」とも書いてあったため、儀式として初めに一度穴を塞いで自分で掘らせるのだそうだ。なるほどねぇ…

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セット完了。はやく穴を見つけてくれるといいね。じゃなきゃただでさえ狭い飼育小屋がもっと狭いままになっちゃうぜ。

 (頑張れハム公!塞いだ穴の位置に餌置いてやったからそのまま突き進めばええねんで!!)

穴は長いと2~3日見つけられないそうなので、それまで気長に手助けしつつ見守るしかないわけですが…

見守り続けて二日目。

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なんでやねんッ(´;ω;`)!!!!

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2014年4月19日 (土)

4/19  今日から俺もクリエイター

前回記事の続きになるんだけど、どうやらこの「LINE用自作スタンプ販売」という試みはつい一昨日、つまり4月17日から始まった出来立てホヤホヤのもののようだ。

LINEを始めたのがつい最近だったため、もうずいぶん前からある企画だとばかり思っていただけにこれは驚いた。特筆すべきはそのタイミングの良さ。

 (乗るしかない、このビッグウェーブに!)

まだ誰も経験の無い事なので初心者というハンデが無いに等しい…というわけでもないが、どういったものがウケるかってのがわかっていない状態なので良い解釈をするなら現時点での可能性は無限大!!

さっそくガイドラインを見て販売までの流れをしっかり確認してみる。

①LINE Creators Marketでクリエイター登録をする
②メイン画像40点+説明用画像2点の合計42点のイラストを用意
③42点のイラストの審査を受ける
④審査に通れば晴れて販売可能に!

スタンプは100円固定で日本・台湾・タイ・インドネシア向けに販売され、売り上げの50%から源泉徴収を引いた額がクリエイターの手取りとなるらしい。

…たったこれだけ!

どのくらいの利益が見込めるかとか、そういうのは全くの未知数というか期待するだけおこがましいのでこの際忘れよう。ただクリエイター登録に費用はかからないのでイラストを用意する手間隙さえクリアすれば後は売れるのを待つだけ。店子もいらない、維持費もかからない、だけど自分のイラストが全世界に発信されてちょっとお金が入るかもしれない夢のあるお話ではないか!

 (うーん。なんか甘すぎる気がするが、審査が相当通り難いとかあるのかね?)

実際プロの方々、セミプロの方々はこの件にどれくらい注目しているものなんだろう?初期だからこそ入り込める隙間があったりするんじゃないかなと思っているが果たして!?

スタンプの審査は主に表現に関してのものらしい。著作権や性的、暴力的なものの禁止はもちろん、ナショナリズムを煽る物も当然NG。まあうちのタプ公は基本的にここらへんは引っ掛からないと思うから心配な…くはないか。モジャ公にクリソツな所が引っ掛かるかもしれん。

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そこはまあ、「ぬっぺふほふ」という江戸時代の妖怪をモデルにしてると説明するつもりだが…。

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ほら、こいつ駿府城に現れたそうだし、静岡縁のゆるキャラとしてもさ… 

それから禁止事項の欄にある「公序良俗に反する物」という項目も目につく。「肌の露出が多いもの」「過度に不快、または粗野なもの」という点だ。タプ公は一応公式では素っ裸だし堕落の権化であるため不快な生き物という設定なのだが…!?

まあ冗談はさておき、二次創作が不可という点も気をつけねばなるまい。中でも「漫画、アニメなどの二次創作・パロディの禁止」「有名なキャラクターやアーティストのイラストを自分で書いてスタンプとして販売する事はできない」という部分は重要だ。

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タプ公単体でのバリエーションに限界を感じ、派生キャラを考えてみたけどこいつらが使えなくなる可能性があるって事だもんな。。しかしパロディという部分と有名アーティストの部分に引っ掛かってる彼らだが、実際のところどうなんだろう?

でも正直、こういうの使ってかないと42点のイラストは素人には厳しいっすよ…

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それから、原案は僕がやるとしても仕上げは誰かに頼まんとな… さすがに自分に絵心が無い事ぐらいはわかってるつもりさ。

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2012年1月29日 (日)

1/29  ナマズ君

夜中の二時ぐらい。さてそろそろ寝ようかなとパソコンをカタカタやりながら思っていたら突然背後から声が聞こえてきました。

 「#b^б@☆×…」

 「うわっキモッ!!!」

寝ていたとばかり思っていた魚君が突然喋り出したのです。寝言でしょうか?これまで数年同じ屋根の下で暮らしてきましたがこんな事は初めてで、正直な話気味が悪い事この上なくて。けっこうビビリました。

…で、彼、よく聞くと「地震…地震が来る…」と、寝言にしてはずいぶんとハッキリ喋っているではありませんか。

 (…ッ!!これは!!?)

この時26日の深夜。実はご存知の方もいらっしゃると思いますが、前日25日の深夜未明から早朝にかけて東海地方に大規模な地震が起こると某掲示板である人が予言していたのですが、それが何事もなく過ぎ去った矢先のこの現象…

この予言を書き込んだのは過去にも何度か実績(?)がある人らしく、予言の根拠は予知夢なんだそうですが、立てられた専用スレ(リンク先はまとめサイト)を見る限りではなかなかどうして、マジかも…と信じ込ませる何かがあります。

ちょうど同日、「マグニチュード7(M7)クラスの首都直下地震が今後4年以内に7割の確率で発生する」とのニュースが世間に報じられた直後でしたので、その影響もあってか信じる信じないはともかくとして、不穏な空気はヒシヒシと某掲示板内に蔓延していきました。無論僕とて例外に非ず…

 (今回は外れたものの、用心に越したことは無い!!)

そしてこんな出来事があった翌日の話です。僕には魚君が突然こんな事を言い出したのが偶然とは思えませんでした。なぜなら魚君は例の予知夢の話を知らないのだから。

 「…おい、…おい??」
 「……ん??」

しかし、考え込んでいたら何やら背後の様子がおかしい。

 「おい!?おいコラ、聞いてんのかデブ?」
 「えっ?起きてんのお前???」

何度か呼び出されてようやく気付きましたが、魚君のソレは寝言ではありませんでした。どうやらきちんとした意識の下、僕に話しかけていたようです。これはこれでまた気味が悪い。

 「どっ、どうしたんだよ急に?」
 「いや、何か知らんが突然『感じて』な…」
 「魚の知らせってヤツか」
 「ああ、俺にこんな力があったとは…」

 (うわぁああ・・・ 身震いする程キ・モ・ち・わりいィィい…)

何かに酔いしれてる風な魚君を見てそう思いましたが結局この日(27日)は何事もなく…。というか、寝言のままの方が数段おっかない現象でしたのでそのせいもあり、この出来事は僕の記憶から即座に消え去りまして…

 (ってううぇえええ!???)

翌朝の事です。つまり、28日の早朝。

 「おいおいおいおい、揺れてんぞこんちくしょおお!?」
 「ま、マジできたあああああ!!」

翌朝、本当に地震が来ました。久方ぶりに感じる嫌な揺れ方。僕らの地域は震度4だったそうですが、とにかく本当に来ました。地震が来たのです。

 「おい、うみ…」
 「ああ…」

昨日のアレはまさか本当に!?そう思っていた僕に魚君は真顔でこう言いました。

 「俺はツイてる。この時間に地震が来なかったら抽選時間に間に合わなかった」

どうやら地震はわかっても数時間後にこっぴどくやられているという事はわからないようだ。

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2011年9月23日 (金)

9/23  サカナの常識非常識

ジリリリリリリリ!!!!!

 (・・・><ッ!!)

けたたましく鳴り響く携帯電話のアラームに嫌気が差してきた午前六時の事だった。普段ならまあ、仕方がないかと我慢する僕ではあるがなにぶん本日は祝日という事で。平日設定をそのままに、今日も義理堅く職務を遂行しているだけなんだろうな、この携帯は。

ポチっとな。

これだけの大音量の中、未だ起きるそぶりを全く見せない魚君の携帯の電源ボタンを押しつぶす勢いで長押ししたその時、そんなつもりは毛ほども無かったものの、偶然待ち受け画面が目に入ってしま…

 (なななななっ!!?)

画面には一人の綺麗な女性の姿が映し出されているではありませんか。見るからに芸能人では無さそうな、写メールで撮られたであろう荒めの画像がよりリアリティを加速させる。

 (どどど、どういうこ…ハッ!?ま、…)

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 ( ───彼女!? )


いや、普通に考えたら58%ぐらいの確率で彼女であろう。それぐらい誇らしげに待ち受けに設定されたこの画像。逆に聞きたい。これが彼女で無ければ一体なんなのだ、と。

或いは今いい雰囲気になっている、最近たくさんしたであろう合コン相手の中の一人かもしれない。若しくはここのところよく話しに出てくる会社の女上司、通称「お局様」か…?それともあれか、考えたくはないが二年ぐらい前にボロ雑巾のように捨てられた元彼女の写真だったりするのだろうか?

いずれにせよ、間違っても赤の他人という事はあるまい…

 (どういう事や。ワイは何も聞かされてへんでぇええ!!!)

平常、好みの違いを嫌というほど認識している魚君のチョイスとは思えない程綺麗な女性。偶然とはいえ勝手に見てしまった引け目もあったが、それよりも好奇心の方が勝ってしまい、僕はさっそく魚君が目を覚ますや否やその件について問いただす事とした。

 「どういう事なんですか!?」
 「え、いや・・・その (///)」
 「何一丁前に照れてんだよ、死ねよブタやろう(´・ω・`)」

予想通りというか何と言うか、言い出しづらそうな魚君。そりゃそうだよな、恐らくまだ付き合っていないであろう女性を待ち受けにするとか(この時点での僕の予想ね)、それもそれを言い出す前に見つかっちゃうとか恥ずか…

 「それ、プロ雀士の○○って人」
 「えっ?プロ…雀……士??」

Tonegawa2

え?何?予想だにしていなかった答えに僕は狼狽えた。

いやさ、そりゃあ二階堂姉妹クラスの有名人なら百歩譲って分からんでもないけどさ、聞いたところほとんど名も売れてないようなこの女流プロ(少なくとも僕は知らない)。いくらプロと言えども、ほとんど素人に毛の生えたような女性をおまえは威風堂々、待ち受け画面に使っていると言うのか?

 「かわいいしょ」
 「どうやってこんなの手に入れたの?」
 「ん、ブログからだよ」
 「そ、そっか…」

さもそれが世界の常識であると言わんばかりに答える彼の瞳には既に照れは無かった。聞けば彼は結構色んな女性のブログをウォッチしているそうで、モデルからニコ生で「踊ってみた」とかをやってるランカ・リーみたいな女性にまでも手が及んでいる始末。

 (それにしても、待ちうけ画像にまでしちまうとは…)

人それぞれ常識があるのだろうが、正直僕には理解しがたいお話であった。『赤の他人の素人の画像』を待ちうけ画面に設定するって果たして普通なんでしょうか?

 「ブログに画像を貼ってる時点でそれぐらいは覚悟すべきなんじゃねーの?」

魚大先生はそう仰いますが、逆に言えばそれってどこかで僕らの写真を待ち受けに使っている奇特な女性も存在しているという事にもなりますよね。

そこから一体何が生まれるのだろう^^;

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2011年4月23日 (土)

4/23  人間になりたい

松山ケンイチと小雪が結婚したという記事を見て魚君がポツリと呟く。

 「おい、うみ。自分で言うのも何だけどさぁ…」

僕はそこまで聞いただけでイラっとしてきた。

なぜなら、後に続く言葉は聞かなくてもわかるから。

 「この写真、自分かと思ったわw」

 (イラッ!!)

なぜだろう。以前自分でノルウォイの森を観ているときに魚君と松ケンが似ていると思った旨をここに書いたというのにだ、魚君が自ら照れくさそうに語る様は僕の神経を逆撫でする。魚なだけに。

あまつさえ、魚君は嫁の批評まで始めやがった。

 「う~ん、小雪って何がいいのかイマイチわからんよね~あ、でもうみは好きそうだな。メガネしたら女教師風だし。でも俺はわからんな~」
 「おまえ何松ケンぶってんの?家畜のクセに」
 「いやいやw そう言うと思ったけどさー、でも本当に似てるんだって。写真見て自分かと思う人なんてそうそういないだろ?」

慌てて弁解するも、なぜかちょっとだけニヤニヤしてて、やっぱりイラつく^^。

そもそも、自分で言ってて何だが、そこまで似てるような気がしない。『似てると思うショットがあるね』、程度だ。まるでドッペルゲンガーを見たかのように話してるとこ悪いが、そこまで騒ぐ程似てないぞと。

でも魚君本人が言い出すまでは少なからずそういう思いがあったのも事実だし、だからこそああいうブログを書いたのだろうし。

 (きっと松ケンが二枚目俳優だからこそ俺は執拗に異論を唱えたくなるのだろうな…)

これが「俺、子泣き爺に似てるよねー」とかそういう話であったら僕ももっと慣用になれただろうに。

誰だって自分を美化したい気持ちはあるだろう。わかった、ここは僕が折れて…

 「でもまあ、そういう人っているよな。俺も楢崎やらチャンドンゴンに似て…」
 「いや、おまえは誰が何と言おうとカイジだから」

間髪いれずに反論された。たまに歩み寄ってやればこれだよ。

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2010年10月17日 (日)

10/17  設定6より大切な事

 「俺の6打つか?」
 「はぁ!?こっちも6掴んでんじゃい!!死ね豚野郎」
 「あっそ」

彼の半魚人大先生が私の如き下等生物相手に優しい御言葉を掛けてくださったというのにだ、私といえば先生のいつもの御冗談だと思い込み、その有り難い申し出を一笑に付してしまった。

なんて馬鹿な事をしてしまったのか。

実際私は別の店でピンポンの6濃厚台を掴んでいたわけなんだけど、魚大先生の台はデビルマン。まさか本当に6だとは思わなかった。そしてそんな台を13時に私如き卑しい人間風情に譲るとは思わなかったのだ。

そうじゃなくてもただでさえ私は必死だった。なぜか先日、昼過ぎからシスクエの4以上確定台を掴めたのにも関わらず、ベル重複や単独ボーナスは設定6を超える確率で引けるのに他がまっっったく引けず謎の-46k。BIG9REG18。ここが分岐点。またアイツがやって来た。どうあがいても勝てない魔物。地獄の日々が始まる。私はそいつを飼いならすのが日本で12番目ぐらいに上手い。

私は掴んだチャンスを手放すのに臆病になっていただけかもしれない。

やがて魚大先生からこんなメールが送られて来る。

 【ボナ202分の1 中段7揃い無し 中チェ285分の1 ART初当たり192分の1】

 (なっ!?)

確かに魚大先生の台が調子がいいのは知ってはいたが、これほどまでとは思わなかった。私のピンポンは現時点での周りの挙動も含めればほぼ6だろうと、その程度の認識であって決して確定しているわけではない。ならば大先生のデビルマンも条件はさほど変わりはしないじゃないか。いや、今日はデビルに確実に6が入るとあらかじめ発表されていたため、シマで別格の挙動を誇っていた魚大先生の台が当たりの可能性は非常に高い。デビルマン生涯成績0勝9敗の私としては、ここで行かなきゃいつ行くんだというぐらいの状況。112%とか119%とか関係無しに、私は迷わずデビルに行くべきだったのだ。

それなのに、愚者は与えられた好機を自ら遠ざける。

 「おい、それくれ」
 「もう取られちまったよ、バーカ」
 「取り返せ」
 「おまえの連絡が遅すぎるんだよこのデブ」

 (ぎゃあああああああああああああああああ)

全てが後の祭。

そもそも、私が先生の発言を冗談だと決め付ける材料としていた『なぜこんな時間にそんなお宝台を手放すのか』。これについては少し考えればわかったはずだ。

 『合コン』

そう、大先生はその日、夕方から合コンに行くと仰っておられた。少し予定が早まったと、なぜそういう発想が出来なかったんだろうか。

私の台は結局、発表が無い以上あくまで6濃厚台という何の腹の足しにもならぬ見せ掛けだけの栄光を与えられたままで朝一、ここに辿り着くまでに抱えた負債を回収しきれずのマイナス三千円という体たらくじゃあ悔やんでも悔やみきれない。50%ループとか、日本で9番目ぐらいに向いていない。

帰り間際、魚先生のデビルマンが置いてあるお店へと向かうと後任者が三箱程出しているではないか。
 
 (きぃぃぃいいいいいい!!!)

非常に自己中心的なタラレバである事は百も承知だけれど、魚大先生が変な意地悪をしないで私にちゃんとあの台を譲って頂ければあの三箱は私のものだったかもしれない・・・ピンポンの消化不良が一層私をそういう気にさせる。

 (オラ、なんかイライラしてきたぞ!!)

こいつは一言言ってやらにゃあ気が済まんで!!段々そんな気持ちになってきた私は一人部屋にて大先生の帰りを待つことにしたのですが・・・


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大先生が帰ってくる頃、私の頭からはすっかりスロットルの事など消えていた。

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